夏に注意すべき目の病気
ドライアイ・ものもらい・ウイルス性結膜炎
ドライアイ
外は暑く湿気っていても、冷房の効いた室内は、とても乾燥しています。
この乾燥から引き起こされるのが「ドライアイ」です。冷房の設定温度は26度にとどめるようにしましょう。
またパソコンのモニターの位置も気を付けましょう。高めに設定されていると、モニターを見上げて、まぶたが大きく開くことから、外気にさらされる眼球の面積が広くなり、目が乾燥しやすくなるのです。夏は紫外線が強く、外出する機会が増えるため、紫外線の影響を受けやすい時期です。紫外線は肌に日焼けをおこすだけではありません。目が赤くなったり、痛みが出るのは、角膜(黒目)に炎症がおこるからです。また紫外線の影響は蓄積されるといわれており、長期の障害として翼状片、白内障などがあげられます。
予防と対策
紫外線から目を守る方法は、外出時の帽子や日傘、サングラスです。サングラス選びのポイントは、色の濃さではなく紫外線のカット率です。色が濃くても紫外線をカットできないものは、暗く感じるため瞳が大きくなり、かえって紫外線が目に入りやすくなってしまいます。紫外線を防ぐ効果がはっきり示されているものを選んで下さい。
ものもらい
夏場は湿気も多く、目に見えない細菌であふれています。これらの菌が目のまわりに付着し、暑さによる疲れから免疫力が低下していると、通常なら反応しない菌に対しても、炎症が起こるリスクが高まります。
「夏の暑さと湿気による細菌の増殖と、夏バテによる免疫力の低下」
この2つの要因から、ものもらいにかかりやすくなります。冷房で冷やされた室内環境が、さらにものもらいの発症の危険性を高めます。菌が巣くった目のまわりの油脂分が冷房によって冷え固まり、そこに停滞することから、ものもらいがより発症しやすくなります。
ウイルス性結膜炎
結膜炎の原因には、細菌、ウイルス、アレルギーなどがあります。
アデノウイルスによるものは感染力が強く、目が赤くなり、目やにが多く、痛みなどの強い症状がでます。炎症をおさえ、細菌の混合感染を防ぐため点眼薬を使用します。2~3週間で症状は消えますが、あとで角膜に濁りがでて視力を悪くすることがあるので、自分の判断で治療を中止するのは危険です。診断されたら家族やまわりの人にうつさないように注意することもとても重要です。ウイルス性結膜炎は学校伝染病に指定されており、流行性角結膜炎と急性出血性結膜炎は医師が周囲への感染力がなくなったと判断するまで、咽頭結膜熱は主要症状がなくなった後2日を経過するまで登校を禁止することになっています。社会人でも集団感染を防止する意味で、できるだけ仕事を休むのが望ましいといえます。
プール熱「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」
夏風邪の一種です。プールの水などを介して感染することが多く、プールがはじまる夏場に流行する。プール熱の代表的な症状は発熱(39℃以上の高熱)咽頭炎(のどの腫れ、強い痛み)結膜炎(目の充血、かゆみや痛み、目やにが増える、涙が止まらなくなる)です。ほかにも頭痛や吐き気、腹痛や下痢などの症状があらわれることもあり、症状が3~7日程度続きます。最初から両目にあらわれるのではなく、はじめは片方の目だけに結膜炎の症状があらわれ、時間差でもう一方の目にも結膜炎があらわれます。そのため、完治するまで時間がかかるのがこの病気の特徴です。プール熱の原因も「アデノウイルス」というウイルスです。主な感染源はつばや鼻水、目やにです。咳を通じてうつる飛沫感染と、感染者の使ったタオルに目やにが付着していて、そこからうつる接触感染の2つが代表的な感染ルートといえるでしょう。手は流水でよく洗い、目を触る場合は、ティッシュペーパーなど使い捨てのものを使用してください。またウイルスは便からも排出されることがあります。そのためにウイルスを持った子どもが排便後によく拭きとらずにそのままプールに入った結果、アデノウイルスがプール中にまき散らされ、集団感染…というケースも!特に乳幼児専用の小さなプールや、管理が行き届いていない消毒不十分なプールは、感染する可能性が高いことを覚えておきましょう。
予防と対策
・手洗い・うがい・手指の消毒を心がける。
・タオルを他の人間と共有しない。
・プールに入ったあとは流水でよく目を洗い、シャワーで全身をしっかり洗う。
家族の中に感染者が出てしまったときは、「消毒用エタノール」でこまめに消毒するのが一番効果的です。
・お風呂は最後に入る。
・手は流水でよく洗う。
・目を触る場合は、ティッシュペーパーなど使い捨てのものを使用。
2018年8月22日